これからの時代は田舎ありき

儚き人生を下さい、で有名な弟子、
健二です
「キリスト先生、質問です。田舎はどうしたら花咲くのでしょうか。素敵な田舎町を緑の多い大都会にするには、どのようなシステムを作ったら良いのでしょうか。教えて下さい。」

キリスト
『良い質問だ。全ては言えないが少しだけ話しよう。田舎から都会に出て行った息子や孫たちは、盆、正月に地元の田舎に帰省すると、感じることがあるんだ。それが、《時間》なんだ。都会にいると慌ただしい人々の中に自分が存在している。通勤の時、電車で、車で、地下鉄で、行き交う人々を感じながら、貴重な《時間》というものを、使わされている感覚になっている。一方、帰省した田舎では、自分の《時間》を有意義に使う感覚になる。この違いをまずは分からなければいけないんだ。』

健二
「はい。分かります。」

キリスト
『田舎のおばあちゃん達はどっちだと思う?』

健二
「ん〜。おそらく時間を使っている感覚ではないでしょうか。」

キリスト
『ポイントはこうだ。やりたくもない事をしている時(例えば仕事とか)、それが自分にとってメリットのあるものだと思えれば、時間を使っている感覚になれるんだ。ただし、やりたくもない仕事をするのが嫌だと思う気持ちよりも、自分にとってのメリットが上回っていないといけないんだ。例えば仕事自体は辛いけど、お客さんの喜ぶ姿が何よりの生き甲斐になるとかだね。つまり、自分の為にではなく、人の為にする行動が嬉しいと感じれると、人は正しく時間を使っているような感覚になるという訳だ。』

健二
「なるほどですね。」

左:弟子のソフィア
右:弟子のウォンツ

キリスト
『田舎の腰の曲がった稲作をしているおばあちゃんは、間違いなく人の為にお米を作っている。でも、稲作を喜びとして生きているおばあちゃんは少ないんだ。だから、《時間》を有意義に使っている感覚にはなれない。どうしたら良いと思う。』

健二
「分かりました。おばあちゃん達は人の為に稲作をしている事に気付いていないんだ。だから声をかけて、僕はおばあちゃんに感謝をしていると、伝えればいいんだ。」

キリスト
『そういうことだね。』

健二
「もっと色んな事をしてあげたいので、しっかり考えます。」

キリスト
『田舎を花咲かせる、第一歩だね。』

健二
「続きはまた聞かせて下さい。」

 キリストです。日本を支えた稲を作り続けてきた民に感謝の気持ちを抱いてからでないと、死に切れぬものだと言おうではありませんか。命あっての人生は、死に行く者への感謝を忘れていては謳歌出来ない仕組みなり。この世の全ての善と悪は、このおじいちゃんおばあちゃん達が決済していた。苦し紛れに、今更、感謝を抱こうとて難しく、しかし、今こそと思い、田舎の田んぼを見に行き、素直に頭を下げて、物申せ。

「申し訳ありません。こうして稲作を本業とする皆様の作った米を、皆様の苦労を考えずに、のうのうと食べてきた自分。本日より、心を入れ替えさせて下さい。その、もう元に戻る事の出来ない、曲がった背中を見ては、自分は日本の恥と決め込んで、ご飯を食べる前に、いただきますを言う前に、きちんと心の底から、皆様への感謝を抱かせてもらうため、本日こうして、頭を下げに来た次第であります。心苦しい私の気持ち、どうか受け取って下さい。」